【備忘録】AutoStakkert!3でのスタック処理後のRegistax6によるウェーブレット処理のテスト

天体用CMOSカメラで撮影した画像の処理について、設定を変えながらテストしました。
Twitterでのスレッドを、散逸防止のためまとめておきます。(といってもリンクのみ)
リンク先ツイートからスレッドを辿ることもできるはずです。
冒頭以外の画像は、リンク先ツイートにあります。


1)レイヤーごとのプレビュー値の設定による処理結果の比較。
自分がよく使ってるのは、レイヤー2のみの引き上げ。
3以降の値は白飛びしない範囲。
マイナス側は処理対象の空間周波数の違いがよくわかる


EpAiRkkUcAQY4NB.jfif

2)よくつかうレイヤー2で結果を比べてみる。
二重リムが出る場所は、スタックのみの画像のエッジのぼやけた領域と思われる。この領域がレイヤー2の空間周波数で強調された結果、明暗の波として現れると推測。(像の外側にも波頭があかるい帯としてうっすら出ている)

ぼやけた領域の中心線付近が真のリムだとすると、レイヤー2強調画像のリムは、概ね真のリムの位置が出ている。
二重リムの暗い線は、真のリムから内側に出ている。
昼夜境界線の内側には、暗いリムが現れない代わりに、外側の宇宙空間にほのかに明るいリムが出ている。

3)品質順に並べた上位5フレーム(下段)と、それらのリムをトレースして、スタック後の未処理画像とレイヤー2強調画像に重ねたもの。リムは、個別フレームのぼやけたリムの明るさの中央付近をなぞったもの。
スタック後画像のリムは、個別画像のリムが平均化されたものと言える?(ツイートでは「言える」としましたが、ちょっと保留)


4)うちで撮像できる火星ではレイヤー2が細部が出しやすいので、二重リムが空間周波数に依存するならと、元画像のサイズを変えて試したのがこれ。
結論から言うと、大きくなった分、細部を出すには、より高次のレイヤーを使う必要があり、結局二重リムが同じ比率で出てくる。


5)次に…というか、順番としては逆なんだけど、スタック過程のテスト。
Autostakkart!3のアライメントポイントの設定を変えてみる。ウェーブレット処理は同じ。AP位置は書き足し。
この素材では火星の模様の向きに合わせたマニュアル2点で二重リムがほぼ見えなくなったけど、細部が甘い気がする…


6)5倍バローの再処理結果。
結論から言うと、これまでの5倍バローのウェーブレット処理は間違い。Layer2でディティールが出ないのは道理で、像が大きくなった分、一つ上のLayer3で強調をかけたら2倍バローと同様の結果になった。(ただし、同時に二重リムも出た)



文中にも出てきますが、このテストのきっかけは、処理後の火星像に「二重リム」が生じるのを処理過程で防げるのか試してみたもの。(強調する空間周波数を変えれば軽減できるのでは?と考えた)
なお、二重リムの発生原因については、筒内気流によるものという資料があるのは確認しています。

「だんだん光学系でここまで写る 第2だん セレストロンC14による惑星撮影」http://rb-star.la.coocan.jp/dandan2.pdf
非常に明快な資料なので、やはり原因は像(エッジ)の乱れなのかと感じています。(筒内気流以外による像の乱れは避けがたいですが)

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